相談員Kのお悩みリスニング

「就労相談室ギフテッド」の相談員がお悩み相談にお答えします。一応、社会福祉士です。X→@gifted_rarity

スピーチの憂鬱

「来週の月曜日はスピーチの係です。今から緊張してます。やりたくないです。」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

※こちらは12月20日金曜日に頂き、同日に回答したお悩みです。

スピーチやプレゼンテーションはとても緊張するという方が多いです。驚くほどに拒絶する方もいらっしゃいまして、そういう類のものが絶対に発生しない職場を一緒に探したなんてこともありましたね。

よく手のひらに人と書いて飲み込むとか、みんなのことをじゃがいもとかピーマンだと思えとか言いますけど、おまじないで解決できるなら困る人はいないでしょう。

私は自分が公式の場で複数人の前に立って話す経験は人並みより多いのかなと思っています。ですので、聴き手の様子を観察する余裕もあります。

さらには三者になることもあります。つまり発表者でもなく聴き手でもなく、その状況を傍で観察し、分析する立場ということです。これが今回の答えの主な根拠となります。

それでは私の見解を書いてみることとします。

相談者様のスピーチがどういう場所で、立場で、どれくらいの長さで行われるかは不明ですが、基本的には「みんな自分の話はほとんど聴いてない」と思っていいです。

ただし物珍しさで「見てくる」人はいます。多くの方はこれが特に嫌なんでしょうね。でもこの注目という行為も、1分も保ちません。すぐに下を向いたり、手遊びをしたり、さらにはあくびをする人もいます。

それくらい、人は他者に興味がありません。

ですが一部の人はしっかり見て聴いています。その方々の特徴はいくつかあります。

①自分がされて嫌なことはしない人(自分の話はこちらを見てちゃんと聴いて欲しいと思うタイプの人ということです)

②一生懸命な人を応援してあげたいと思う人

③人の話は目を見てちゃんと聞きなさいと教育されてきた人(これは本当に聴いている場合と、ただのポーズ、つまり真面目にしているフリでまったく上の空の場合があります)

これらの人々は、いずれにせよ相談者様にネガティブな感情を持ち合わせておらず、敵ではまったくありません。①と②の人はむしろ味方で、普段から真面目で誠実で、人の気持ちに敏感な人ですね。

人によっては相槌までうってくれることでしょう。「ちゃんと聴いてるよ」「頑張って!」「おもしろい(興味深い)話だな」「とりあえずうなずいておけばいいって習った」など、これも様々な理由があることでしょう。

③の人も無害であり、全然いいと思います。

ですから、これは無理にとは絶対に言いませんが、もしも勇気が出るなら聴き手の様子を見てみてください。安心できる可能性はあります。「なんだ誰も聴いてないや」とか「すごい見てくるけど①②③の人だから大丈夫」とか、身をもってわかるかと思います。

一度それを経験すれば、今後は少しずつ楽になるかもしれません。

ただ、書こうかどうか迷いますが、無駄に傷ついて欲しくないので伝えておきます。これは本当に場所と人によるので、相談者様にとってはありえないことかもしれませんので読み流していただいても大丈夫です。

「見てくる」人には、実は④があります。

「あらさがし」です。発表者や指導者の失敗を見つけて非難または訂正したい、自分の方が賢い、得意だ、上手だとアピールしたいというタイプの方々ですね。

しかしこちらも悪気は一切ない人が多く無自覚なので、決して真に受けてはいけません。相談者様という人間が嫌いで攻撃または辱めているのではなく、自分が優位に立ちたいのです。

そんなときは寛大な心で、ご本人たちの思う「優位」に立たせて差し上げましょう。正当な訂正等であれば受け入れるのは良いことです。TPOが適切でないことはつらいですけれど。

スピーチやプレゼンテーション、授業などの聴き手について私が思うところはこれくらいでしょうか。

これを読んで「それなら大丈夫かも」と思う人もいれば「余計に怖くなった」という人もいると思います。後者の方には深くお詫びします。

月並みな言葉ですが、上手くできるかどうかじゃなくて、やりたくないことをやりきれるかどうかですよね。やりきるためのアドバイスとして長々と書かせていただきました。

「愚痴りたいだけだったんだけど…」ということでしたら、余計なことを書いてしまいました。どうか読まなかったことにしてください。

最後に、励ましになるかどうかわかりませんが、来週月曜日に緊張することが待ち構えてる人って日本全国にたくさんいると思います。実は私もそうですから。多くの人が相談者様の仲間です。

何においても大切なのは心を込めて向き合えるかどうか、それが全てだと私は思います。そうしないと、苦手をいつまでも克服できずに自分を苦しめ続けることになるからです。

「食べてみたら案外いけた。特別美味しくはないけど。」という感覚と同じで、スピーチの類も「顔を上げてみたら案外どうでもよく感じた。すすんではやりたくないけど。」となれば占めたものですね。

合言葉は、出たとこ勝負、ぶっつけ本番、なるようになる、そもそも誰も聴いてない、です。

相談者様も観念して開き直ることができると少しは楽でしょうから、カンペが許されているならそれだけ見つめていればいいですし、ないなら上記のことを参考にしてみてください。

あっという間に終わることでしょう。「悩んでる時間の方が長かった」と思えればそれも大切な気づきです。

終わった後の開放感や達成感を共に味わいましょう。

以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K

生き延びる転職

「営業職に就きました。運転免許が必要な求人でしたがペーパードライバーですと面接で正直に伝えたところ、すごく良い人材だから運転はしなくても大丈夫と言われたので安心していたのですが、結局は他の社員さんに乗せてもらわないとならず、わざわざ私を拾うために早出して遠回りになるからか、練習した方がいいですよと毎回言われます。話が違うと思いながらも肩身が狭いです。自転車や公共交通機関も考えましたが駅近バス近の営業先店舗はほぼありません。申し訳ないので嫌々ですが練習させて下さいと自分から言って、広い駐車場で駐車などの練習をさせてもらいました。その社員さんはノリノリで嬉しそうでした。私は運転にトラウマがあるのですごくつらいです。採用してくれた上司に言っても、そういうときは自分が乗せていくから!と笑顔で言われて、実際にそうしてくれることもあります。でもいつもではないのであまり解決にはなりません。無職の期間を作りたくなくて焦って就職した自分の失敗だと思っています。もう辞めようと思っていますが、貯金は2か月分くらいしかありません。ストレスと不安で押しつぶされそうです。」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

最後に書かれていますとおり、直面している問題は金銭面ということでしょうか。

確かに採用してくれた上司の方や乗せてくれる社員の方への疑問は当然ですね。何より自分から練習しようとする相談者様を制止しないのは大問題です。

「自分がやれって言ったわけじゃないし」なんて子どものような言い訳が通用するとでも考えているのでしょうか。通用しそうな会社に思えるのが笑えませんが。

他人が、職務中に、私有地以外で、車を運転することを先輩である自分が許容するリスクより、自分が楽になることの方を取ったとしたら言葉も出ません。

言うまでもなく、心や身体に傷を負ったら、お金があっても解決できない場合もあります。それならばお金を失う方がずっとマシです。この職に就いて、援助させていただいて出した結論です。お金がないことへの恐怖が非常に強い方がいらっしゃるのも承知で書いています。

そもそも現時点で相談者様はトラウマをえぐっているのです。

しかし相談者様は自力での収入が途絶えることを望んではいないようにお見受けします。ですので失業手当や生活保護受給の話は除外します。

ハローワークへ行ったり区役所に問い合わせたりすればわかることですから、本当にお金がなくなりそうな時は真っ先にそうしてください。

あくまで仕事をしてお金を稼ぐということなら、最低限の生活費を算出して、その手取り額を基準に仕事を探すとよいです。

辞めてからの転職活動は「即日勤務可能」という身軽さが強みとなります。

不安は募るでしょうけれど、危険な会社には行かなくてよくなります。相談者様は営業職から歓迎されるほどの経歴と能力をおもちのようですし、仕事内容や雇用形態へのこだわりを一旦なくせば転職先は2か月以内には見つかると思います。

ちなみに私はコールセンターの求人に助けられた経験があります。

離職率が高いので嫌煙されがちですが、合う人には合うお仕事だと思いますし、面接でしっかりコミュニケーションが取れて接客業系の経歴があればまず合格します。

それこそ手取りは必要最低限の金額プラス頑張れば1万円くらい貯金できるかな、くらいのものでした。

受電専門のオペレーターで、操作案内に必要な知識を覚えるのは非常に困難でしたが、基本的に9時から6時の定時であがれて、駅ビルの中にあったので職場でできた友人と遊んで帰ったりできたので楽しかったですね。

そこでしばらく、次の転職で悪印象にならない程度の期間は働いて、次の企業に転職しました。毎日同じ仕事をきっちり繰り返すことは、自分の性格や職業適性を見極めたりと、人生を考えるいい機会にもなります。

ただし「ちょっと嫌な予感がする」という求人もあるので、コールセンター求人は複数を見比べて、オフィス内の写真や設備、立地などに注意して応募することをおススメします。

例え話というか私の実例が長くなってしまいましたが、転職活動をあまり難しく考えないタイミングがあってもいいと思います。「はやく逃げないと」と思う職場はありますからね。

相談者様も、一旦自分のやりたいことやこれまでのお給料の水準などは置いておいて、今を生きるための条件を満たした職場に転職してみるのはいかがでしょうか。

そしてあと数日とか数週間とか、もう運転の練習はせずに「今日もすみません、ありがとうございます、よろしくお願いします」と言うだけでいいです。

悔しいですけども、嫌味はその人の人格や虫の居所、職場の上と下の連携不足が原因であって、決して相談者様のせいではありません。

危険な職場です。身を守ることを第一に考えてください。給与や待遇が下がったとしても、今よりも人と環境がよく、コンプライアンスが守られた職場に就職できることを願っています。

以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K

先輩アルバイト

「バイト先に新人さんが入ってきておそらく40歳手前という感じです。ベテラン大学生が休憩室でその人の顔のことで悪口を言って笑っています。私はむしろその大学生のことが大嫌いです。なんで平気でそんなことができるんですか?新人さんは何も悪いことをしてません。むしろ年下から真剣に教わっています。私も先々月に入ったばかりで、ミスするとバックヤードに呼び出されて責められ怒られました。いくら仕事ができても人としてどうかと思います。同じシフトになると憂鬱になります。どうしたらいいですか。」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

結論は「沈黙を貫く」か「辞める」かだと思います。

何故なら上司が、気づいてないのか見て見ぬふりしてるのかわかりませんが、何もしないのだからこの二択になるのです。

私も店長経験がありますが、そういった点は特に目を光らせ、仕事ができてもできなくても「輪(和)を乱す人」には容赦をしませんでした。

まずは何故そのような言動を取るのかを伺ってみて、業務上のストレスなどが理由での八つ当たりであればご本人と、その影響を受けたスタッフへ謝罪しました。

ですが「いかなる理由があっても、人を傷つけて許される道理はない。された側の生活や人生に悪影響をもたらした場合は取り返しがつかない。もしそのような感情がまた生まれたときには私に言って欲しい」と伝えました。

それでも改善されないのであれば辞めていただいて結構という考え方です。

それをできる管理者がいないなら、相談者様のような真面目で心優しい人は、その人が辞めるまできっとストレスを溜めることになるのではないでしょうか。

ちなみに「どうしてそのようなことができるのですか?」という質問にもお答えするとしたら、推測にはなりますが「自分の強さや地位を見せつけたい、または確固たるものであり続けたい」といったところでしょうか。

ここのボスは自分だ、と新人さんに思わせたいのでしょう。

また、もしひいきされている新人さんもいるとしたら「可愛いから仲間にして、自分の価値を高めよう」という思考かもしれません。何故なら人の顔をバカにするということは、人を顔で判断しているということですから。

アパレル系やサブカル系で、学生スタッフを何人も見たり管理させていただいたりしてきましたが、おそらくそんな理由かと思われます。さてどうしたらよいでしょう。続きを書いていきます。

相談者様は強い人でもあります。「そんな叱責をされても耐えて頑張っているのに何故自分が辞めなければならないの」とも考えるかもしれません。ごもっともです。

もしそうなら私の経験則からひとつ伝えられることがあります。

そういう人は仕事と人望で黙らせるに限ります。

相談者様がこのまま真剣に仕事を覚えていくと周りから評価されて信頼されます。するとその大学生さんの方から相談者様に対してころっと態度が変わったり、非常に言葉がよろしくないですが擦り寄ってきたりする可能性があります。

そのとき相談者さんは「社会」と「人」について幻滅するかもしれませんが、それもまた一つの学びです。それもとても大きな学びです。

相談者様のお気持ちを「辞めたくないけど憂鬱さを解消したい」と解釈してこのような回答をしました。

ここで間違えてはいけないのは、相手を倒す必要はないこと。自分のすべき役割を全うするだけという考えが重要です。

もし機会があれば新人さんには「一緒に頑張りましょう」とだけ声をかけてあげるのがベターかと思います。きっとどういう意味かは伝わるでしょう。

人生で正念場は何度も来ます。もう一度お伝えしますが「沈黙を貫く」のです。その先輩のことについては中立を守り抜きましょう。態度としては、誰にも同調せず、反抗もせず、無遅刻無欠勤、挨拶と返事を丁寧にしていれば十分です。

ですが本格的に問題のある先輩や上司は存在するので、越えなくてもいい壁もあります。触らぬ神に祟りなしという言葉がありますから。そもそも大学生なら卒論の時期には辞めているかシフトが減るでしょうしね。

辞めないのであれば、二人で仕事のできる人になって、そして後続の新人さんにも優しくできる人になったら、その先輩に「反面教師様、感謝いたします。おかげさまで人としてステージアップさせてもらいました。あれ、先輩のステージは低すぎてここからは見えないなあ、聞こえてますかー?と心の中で言える日が来ると思います。後半は私の嫌味ったらしい性格が出ていますので聞かなかったことにしてください。

応援しています。

以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K

やらないこともやったこと

「今年も一年、何もせず終わりそうです。自分はいつまでこんなんでいるんでしょうか」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

同じように悩んでいる人は少なくないと思います。

相談者様がどのような生活をされているかは不明ですが、そう感じる理由は様々ですよね。

学生でもない、社会人でもない、どちらかに当てはまるけど、漫然と同じような日々を繰り返している、福祉事業所等も利用していない、ひきこもっていたなど、変化がなかったとも言えるでしょう。

ちなみに「今年も」以前に「今日も何もしなかった」で自責する人もいらっしゃいます。何をどうしたら「何かした」と胸を張って言えるのか、まさに人それぞれです。

相談者様にとっての「何か」を具体的に表現することはできるでしょうか。「すべきだったこと」は除外します。

それを挙げてみるという行動が今年の「やったこと」になると私は思います。つまり来年への目標や余暇活動をリスト化することですから。

リストに挙がったものは相談者さんが一年を振り返って「こんな自分でありたかった」って思うものなのでしょう。

行きたかった場所、会いたかった人、欲しかった友達や恋人、始めてみたかった趣味、やりがいを感じて実績を残したかった仕事や勉強。

または観たかった映画、イッキ見したいドラマやアニメ。「今からでもできるかもしれない」というものが一つでもあれば儲けものですね。

ですが注意点があります。その内容に「優劣をつけないこと」です。

真面目な人や自罰的な人はつまづきがちですので気を付けてください。

世間や誰かと自分を比較して「何もできてない」「こうあるべきなのに」という劣等感を感じると、相談者様の人生はいつまでたっても満足いくものになりません。

こういったことに関しては、もっと自己中心的に考えてください。誰がなんと言おうと構わず、何か言われるとか思われるとかを想像せず、ただただ今からやれること、やりたいことをやる。

例えばトイレだけは掃除する、などでもじゅうぶん立派だと思います。

ちなみにもう古いのかもしれませんが「社畜」という言葉がありますね。これを「働きまくった」と自己評価する人もいれば「なにもできなかった」と嘆く人もいます。

この場合の「なにも」はプライベートの充実のことを指すのでしょう。やはり日常において「やった」と自己評価できるものは人それぞれなのです。

そして今回いちばんお伝えしたいのは、以下の逆転の発想です。

「悪いことはしなかったからOK」という考え方です。自傷他傷、誹謗中傷、迷惑行為、警察沙汰、ハラスメント、人を裏切る嘘をつくなど、やってないなら相談者様は「人として真っ当に生きた」ということなのです。

「やらなかったこと」も「やったこと」になる。

私は人生とはこういうことなのではないかと思います。社会のルールやモラルを守って人を傷つけず、必要な感謝と謝罪ができれば上等、100点満点です。さらにそこに一つでもやりたいことができたなら花丸つきの一年だったと言えると思います。

こんな着眼点も参考にしてみてみてはいかがでしょう。きっとこの相談文を書く相談者様なら花丸の一年だったのではないでしょうか。

そして以前の記事にも書きましたが、とにかく一年を生き抜いたというだけで、人間として「じゅうぶんやった」と思います。

自分に「よくやったな」と声をかけて、どうかよいお年をお迎えください。

以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K

孤独なインフルエンザ

「インフルエンザです。お腹が空いてるのに水分で精一杯です。立てないし、看病してくれる人がいなくて、それが症状よりつらいです。」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

診断が出ているということは、まず病院に行けたのですね。

多少の症状では風邪薬も飲まない、病院にも行かない、大丈夫だと決めつけて保菌者の状態で学校や職場に出かけてうつしてしまう可能性を考えられない人もいます。

受診は自分のためでもありますが、他人のためでもあるので、当たり前のようでなかなかできません。もしも強い症状が出る前に受診できたのであれば、周囲への配慮や責任感のある方です。素晴らしいと思います。

本題ですが、病気の時に誰も看病してくれない孤独感は何とも言えませんね。過去には「誰にも愛されていないと実感して泣いてしまった」と話してくれた方もいらっしゃいました。

それにお腹を満たすこともできないなんて、そんな中で相談をしてくださったことはメンタルも治したいと感じたからでしょう。つらいから愚痴っただけと言う方もいらっしゃいますが、それはつまりメンタルケアです。こちらも素晴らしいです。

相談者様がおいくつで、どういう事情で「看病してくれる人がいない」のかはわかりませんが、これを乗り越えると得られるものは二つあるでしょう。

「二度とこんなことになりたくないから風邪への未然防止を徹底するという習慣」と「体調が悪いと言う人に対して、看病してくれる人はいるの?と言葉をかけることができる人柄」です。

どちらも生きて行くうえでの財産。誤解を恐れず言うなら、今一人で苦しんでいることは相談者様の生き様なのかもしれません。

一人でも生きて行ける、またはそれしかないという強い生き様。悲しいことに自業自得と言われてしまう人もいれば、頼る人はいるけど申し訳なくて言い出せない人もいれば、自らその人生を選択した人もいると思います。

例え見ず知らずの私が打った画面の文字だとしても、ほんの少しだけ孤独感を忘れることができたとしたら幸いです。あとは回復に専念するのみですね。

精神も肉体も、苦しんだ分だけ抵抗力や耐性や解決策や知識が身につきます。さらに人への気配りも身につきます。相談者さんは今、確実に役に立つ人生経験をしています。

水分で精一杯とのことですが、それで正解だと言われています。できれば飲むゼリーや、ただの水ではなく経口補水液だとなおさら良いですが、買いに行く体力も気力もないのかもしれません。

相談者様は大丈夫かと思いますが、栄養を摂らなければといってインスタントのみそ汁やカップ麺を口にする人もいまして、それは胃酸の分泌を促進するのでよくありません。コーヒーも同じ理由で避けるべきです。

とあるアニメ映画で、「人間いちばんよくないのは、一人でいることとお腹を空かせていること」というような、個人的には名言と感じるセリフがあります。

この回答が届いているかどうかはわかりませんが、少なくともここに相談者様の身を案じている人間がいます。

あとは少しでも早く固形物を口にすることができるよう願うばかりです。

お力になれず申し訳ありません。今の相談者様の苦しみや悲しみを、自分や他者のために今後活かすことができるのは確かです。それに期待して、乗り越えていただければと思う次第です。

以上です。おつらい中でお読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K

既読スルーとは

 「友達に誕生日おめでとうのラインをしたけど既読スルーされていてすごく傷ついてるし、落ち込みまくりです」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

これもまた多く相談を受けます。正直に申し上げますと「LINEとはそういうもの」の一言に尽きてしまいます。

テキトーなことを言うなと思うかもしれませんが、何においても他者の真意や状況は想像ではわかりません。思いもよらないハプニングもありますしね。

実際に私なんかは「あれ?返事こないな、この件は興味なしか」と特に気にせずいたところ、忘れたころに何気なく画面を確認したら、私の送ったメッセージに「送信できませんでした」のマークがついていました。

返事をしたつもりが圏外で送ってたので実は私が既読スルーした状態になっていたということですね。謝ったら「気にしてなかった」って言っていました。

私とこの友人にはとある共通点があります。

「人間関係に対して執着がない」「人に何かを期待しない」という点です。

特に後者は相談者様にとって役に立つ考え方かもしれません。

「なんで返事くれないの」と落ち込むのは相手の行動に心を支配されてる状態です。

「友達の誕生日を覚えていてお祝いのメッセージを送ることができた自分ナイス!」という感じで、今回の件は自己完結してしまうのはいかがでしょう。

自分と他者は違う生き物、自分の思い通りの反応が来ないことはなんの不思議もないと思います。

そしてそれが必ずしも「悪意や嫌悪だと決めつけないこと」もポイントかと考えます。

大切で仲良くしたいお友達だからこそ悩むのですよね。相手も同じ気持ちでいて欲しいのも当然です。しかしそれは、実は奇跡に近い関係性でしょう。

お互いが同じ熱量で思い合える相手に巡り合うのは相当な幸運か運命か、たまたま相手が人付き合いや世渡りが上手だったかのどちらかなのかもしれません。

どんなときも、ぐるぐると悩んでしまったときは、宇宙から今の自分の姿を見下ろすことをおすすめします。LINEの既読スルーで傷ついている自分に「え、気にする必要なくない?」と言うことができれば、相談者様は精神的に大きくステップアップすることでしょう。

最後に、あくまで私の考えをお伝えすると、なんの心もこもっていない機械的な「ありがとう、嬉しいー!」という言葉で返事をされるよりも、無視された方がマシですね。

そういうのって、文面でも対面でも透けて見えてしまうものです。いい意味で仮面の作り方や演技、言葉選びが上手い人じゃない限りは。

なので、LINEなら既読スルーはむしろ歓迎ですし、返事があっても「え、よく覚えてたね」とか、プレゼントに対して「ちょっと、めっちゃいらない何コレ!」とか言われるのは正直さを感じられるので逆に嬉しいです。

ちなみに、相談者様がそうだとは決して言いませんが、最近はSNSの普及が異常で、現実世界での友人が少ない、または恋人がいないという人が大変増えています。

その逆も言えますね。現実世界で人間関係の構築が難しく、SNSを利用する。

トラブルや悩みに発展しない精神や考え方をもって利用できるなら素晴らしいことです。誹謗中傷や脅迫、人を弄ぶ悪意、ショックな出来事に遭遇することもあるので常に危険もつきまとうのが難点ですが。

ですので私が先述のような考え方をする、またはできるのは、現実世界で今に至るまで、生で人の表情や言葉に触れてきたからです。

好意も、笑い合うことも、悲しみを分かち合うことも、心を通わせることも、一方通行に想い想われることも、羞恥も、嫌悪も、怒りも、無関心もすべて。

そしてそれを自分の中でどう処理するかを身につけたわけです。

相談者さんの悩みは決して相談者様やご友人に責任があるわけではないのです。

原因の一端として「時代」の変化は確実にあります。

それに、いじめ問題もなくならないわけですから、他者によって現実世界での人間関係の構築を妨げられるという許し難い状況もあります。

自分の言動や心の弱さで他者の人生を狂わせることの罪の重さを、被害に遭った方を援助するたびに実感します。

無関係の話だったかもしれませんが、相談者様は今の時代をどう泳いでいくのでしょう。夜の海でありもしない灯台を目指すよりかは、昼の海の浅瀬で足が地に着く程度に泳ぐ方が楽しいのかもしれませんね。

少し厳しい話になってしまったでしょうか。とにかく人の行動に振り回されて自分の精神や時間を削らないことが重要です。どちらも有限ですからね。

以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K

年末のご不幸

「2か月前に主人が亡くなりました。喪中だからというより、精神的にクリスマスケーキやチキンを食べる気にはなりませんが、同居している娘は食べたいといいます。娘は20代でパートをしています。気持ちを理解できません。」

 

初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。

まずは、ご主人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

そして私がこちらを拝読して感じたのは、ご相談者様と娘様の、ご主人の死に対する受け入れ方が違う可能性です。

奥さんにとってはご主人、娘さんにとってはお父さんですから、「喪失」した内容に様々な違いがあるのではないかと思います。だから気持ちや考えのずれを感じる可能性はあるかもしれません。

だとしたら相談者さんと娘さんの気持ちや考えを一致させる必要はない、というかできないことなのでしょう。

家族だとしても、同じ境遇に立ったときの行動や価値観はバラバラです。当然かと思います。

つまりケーキを食べるか食べないかじゃなく、相談者さんが自分の今の気持ちや状況を娘さんに伝えるかどうかが問題の焦点なのかもしれないです。

もしも相談者様が「理解できない、だから理解したい」というお気持ちなのであれば、このような質問をしてみるのはいかがでしょう。

「まだ悲しくてクリスマスケーキのこと忘れちゃってたけど、○○が食べたいなら買おうか、どんなケーキがいい?」のような自分の気持ちも娘様の気持ちも両方尊重するような質問ですね。

しかし上手く伝えられない、自分が傷つく反応だったらどうしよという不安や恐怖もあるかもしれないので無理は禁物です。

私は買うだけ買って流れに身を任せるのも全然ありだと思います。何故なら相談者様の心を無理に打ち明けることで喧嘩になったり、変に気まずくなったりするのは避けたいですから。

娘様がクリスマスケーキを食べたい、年越しそばやおせちを食べたいと発言するからといって、ご主人の死を軽んじているわけでは決してないと思います。

20代でお父様を亡くす。2か月で受け入れられる人はケースによるでしょうが、そこまで多くはないでしょう。亡くなり方は不明ですが、ご葬儀の時の娘様のご様子はいかがでしたか。

あっけらかんとしていたとしたら、ご相談者様の「理解できない」という気持ちも当然ですが、そうではなかったとしたら単純に喪中と年中行事は何ら関係ないという感覚なのだと思います。

または毎年やっていることだからとか、ケーキが好きで楽しみにしていたからとか、二人で過ごすのに、静まり返って食卓には普通のご飯しかないクリスマスは余計に悲しいとか、そんな風に娘様が考えている可能性もあります。

娘様のパート先がどのような職場かもわかりませんが、お友達も含めてクリスマスの予定の話になって、ケーキだけでも撮影してSNSに投稿したいとか、そんな悩みもあるかもしれません。

全て私の想像です。娘様の真意は娘様にしかわかりませんが、きっと悪気はないので邪推せずに、母娘仲が悪くないのであればとりあえずケーキを買ってみるのはいかがでしょう。

娘様の反応や行動で何かがわかるかもしれませんし、わからないかもしれないですが、二人または娘様だけがケーキを買うことも食べることも何の罪にもなりません。

最初にも申し上げた通り遺族の気持ちも行動も、本当にバラバラなんだと私も人生において実感しています。

発狂して周囲に当たり散らす人。

思い出のある家になんていられないと1日中外出する人。

お酒やギャンブルに没頭する人。

お骨の前でひたすらしくしくと泣いて過ごす人。

葬儀が赤字になったり、遺族年金では暮らしていけなかったりして働くしかない人。

親族と争いが起きて疲弊したり怒ったり憎んだりする人。

それを思うと「クリスマスケーキは食べたい」という20代の娘様の気持ちはかわいらしく、清らかに感じてしまいました。

相談者様にとって不謹慎な言葉でしたら、大変申し訳ありません。

ちなみに、こういう相談を周りにすると「旦那さんが生きてたらそんなこと気にしないよ」というような言葉で慰めてくれる人もいます。もちろんそれを否定なんてしません。

ただ私が相談者さんの立場で「生きてたらなんて言うかな」なんて想像し始めたら、涙が流れ出してしまうでしょう。特に、一緒にクリスマスを過ごしていたとしたらそのことも思い出してつらくなるでしょう。

ですが亡くなった方なら今の自分たちになんて声をかけるか、その想像で、自分を前向きにさせる人もいます。

まずは「自分が一番傷つかない、悲しくない一夜を過ごそう」と考えてみてはいかがでしょう。

「理解はできないけど、娘様のことが可愛くて、親として望みはかなえてあげたい」と思うのならそれも母親として強く、素敵なことです。

自分と娘様の気持ちの兼ね合いをつけるのは難しいと思いますし、家族仲の良し悪しにもよりますが、何においてもそれぞれが孤立した行動を取るよりは、お互いに歩み寄った行動を選択することがご主人へのご供養のひとつかと存じます。

ですが先述した通り、人の気持ちは家族だとしてもわからないのは当然、なるようになる、考えるより産むが易しです。

とりあえずケーキを買っておくことは可能性や選択肢を広げることとなり、不要なトラブルは防げるかと考えます。

悲しみに暮れる中、ご相談いただいたことを心より感謝いたします。どうか相談者様が少しでも平穏に、年を越すことができるよう願っております。

以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。

相談員K