「来週の月曜日はスピーチの係です。今から緊張してます。やりたくないです。」
初めまして、ご相談ありがとうございます。就労相談室ギフテッドの相談員Kです。よろしくお願いします。
※こちらは12月20日金曜日に頂き、同日に回答したお悩みです。
スピーチやプレゼンテーションはとても緊張するという方が多いです。驚くほどに拒絶する方もいらっしゃいまして、そういう類のものが絶対に発生しない職場を一緒に探したなんてこともありましたね。
よく手のひらに人と書いて飲み込むとか、みんなのことをじゃがいもとかピーマンだと思えとか言いますけど、おまじないで解決できるなら困る人はいないでしょう。
私は自分が公式の場で複数人の前に立って話す経験は人並みより多いのかなと思っています。ですので、聴き手の様子を観察する余裕もあります。
さらには第三者になることもあります。つまり発表者でもなく聴き手でもなく、その状況を傍で観察し、分析する立場ということです。これが今回の答えの主な根拠となります。
それでは私の見解を書いてみることとします。
相談者様のスピーチがどういう場所で、立場で、どれくらいの長さで行われるかは不明ですが、基本的には「みんな自分の話はほとんど聴いてない」と思っていいです。
ただし物珍しさで「見てくる」人はいます。多くの方はこれが特に嫌なんでしょうね。でもこの注目という行為も、1分も保ちません。すぐに下を向いたり、手遊びをしたり、さらにはあくびをする人もいます。
それくらい、人は他者に興味がありません。
ですが一部の人はしっかり見て聴いています。その方々の特徴はいくつかあります。
①自分がされて嫌なことはしない人(自分の話はこちらを見てちゃんと聴いて欲しいと思うタイプの人ということです)
②一生懸命な人を応援してあげたいと思う人
③人の話は目を見てちゃんと聞きなさいと教育されてきた人(これは本当に聴いている場合と、ただのポーズ、つまり真面目にしているフリでまったく上の空の場合があります)
これらの人々は、いずれにせよ相談者様にネガティブな感情を持ち合わせておらず、敵ではまったくありません。①と②の人はむしろ味方で、普段から真面目で誠実で、人の気持ちに敏感な人ですね。
人によっては相槌までうってくれることでしょう。「ちゃんと聴いてるよ」「頑張って!」「おもしろい(興味深い)話だな」「とりあえずうなずいておけばいいって習った」など、これも様々な理由があることでしょう。
③の人も無害であり、全然いいと思います。
ですから、これは無理にとは絶対に言いませんが、もしも勇気が出るなら聴き手の様子を見てみてください。安心できる可能性はあります。「なんだ誰も聴いてないや」とか「すごい見てくるけど①②③の人だから大丈夫」とか、身をもってわかるかと思います。
一度それを経験すれば、今後は少しずつ楽になるかもしれません。
ただ、書こうかどうか迷いますが、無駄に傷ついて欲しくないので伝えておきます。これは本当に場所と人によるので、相談者様にとってはありえないことかもしれませんので読み流していただいても大丈夫です。
「見てくる」人には、実は④があります。
「あらさがし」です。発表者や指導者の失敗を見つけて非難または訂正したい、自分の方が賢い、得意だ、上手だとアピールしたいというタイプの方々ですね。
しかしこちらも悪気は一切ない人が多く無自覚なので、決して真に受けてはいけません。相談者様という人間が嫌いで攻撃または辱めているのではなく、自分が優位に立ちたいのです。
そんなときは寛大な心で、ご本人たちの思う「優位」に立たせて差し上げましょう。正当な訂正等であれば受け入れるのは良いことです。TPOが適切でないことはつらいですけれど。
スピーチやプレゼンテーション、授業などの聴き手について私が思うところはこれくらいでしょうか。
これを読んで「それなら大丈夫かも」と思う人もいれば「余計に怖くなった」という人もいると思います。後者の方には深くお詫びします。
月並みな言葉ですが、上手くできるかどうかじゃなくて、やりたくないことをやりきれるかどうかですよね。やりきるためのアドバイスとして長々と書かせていただきました。
「愚痴りたいだけだったんだけど…」ということでしたら、余計なことを書いてしまいました。どうか読まなかったことにしてください。
最後に、励ましになるかどうかわかりませんが、来週月曜日に緊張することが待ち構えてる人って日本全国にたくさんいると思います。実は私もそうですから。多くの人が相談者様の仲間です。
何においても大切なのは心を込めて向き合えるかどうか、それが全てだと私は思います。そうしないと、苦手をいつまでも克服できずに自分を苦しめ続けることになるからです。
「食べてみたら案外いけた。特別美味しくはないけど。」という感覚と同じで、スピーチの類も「顔を上げてみたら案外どうでもよく感じた。すすんではやりたくないけど。」となれば占めたものですね。
合言葉は、出たとこ勝負、ぶっつけ本番、なるようになる、そもそも誰も聴いてない、です。
相談者様も観念して開き直ることができると少しは楽でしょうから、カンペが許されているならそれだけ見つめていればいいですし、ないなら上記のことを参考にしてみてください。
あっという間に終わることでしょう。「悩んでる時間の方が長かった」と思えればそれも大切な気づきです。
終わった後の開放感や達成感を共に味わいましょう。
以上です。お読みいただきありがとうございました。少しでも相談者様のお役に立てたら幸いです。そしてお悩みが解決することを願っています。
相談員K